相続対策で受注
1位の上村建設(福岡市)の23年10月期の完工数は、66棟1645戸だった。
完工物件が多かった地域は、福岡県糸島方面にある九州大学周辺の土地区画整備事業のエリアのほか、福岡市南区でJR鹿児島本線や西日本鉄道天神大牟田線の駅周辺。同社は地主が所有する土地で相続対策や収益化のための建築請負をメインとしてきた。近年は、顧客が新たに土地を購入して賃貸マンションを建築する案件も増えてきているという。完成後は、グループ会社のハッピーハウス(同)が管理・仲介を行うワンストップ体制が強みだ。
建築費高騰に対しては、建築の提案から完成までの間に、異なる視点やタイミングでこれまで以上に無駄を省くことを徹底。同時に、建物の品質や機能などを上げつつ、コストを維持・削減していくバリューエンジニアリングを行っている。さらに、年度末などに偏りがちな竣工時期を調整し、工期を平準化することによって、協力事業者の仕事量を安定させることでコストを抑えている。