2分の1の期間で満室に
投資用ワンルームマンションの開発を行うメイクス(東京都渋谷区)は、物件にアートを導入して差別化を図っている。
アートはエントランスの壁面への施工を基本とし、物件によっては住戸部分やごみ置き場の壁面にも施す。アーティストマネジメント事業を行うDRELLA(ドレラ:同)と提携し、アーティスト選定をDRELLAに委託する。アート導入に係る費用は約330万円。
最初にアートを導入したのは2023年7月に竣工した「メイクスアート三ノ輪Ⅱ」だ。それ以降、「MAKES WART(メイクスダブルアート)」としてシリーズ化。6月14日時点で3棟186戸を東京都と愛知県名古屋市で竣工している。
2月に竣工した3棟目の「メイクスアート今池Ⅲ」を除き、満室稼働している。メイクスアート今池Ⅲも6月18日時点で入居率は81%だ。アート未導入の開発物件と比較しても、入居者層に変化はなく、20~30代の単身者が入居する。満室になるまでの期間は従来の物件は7カ月程度だが、アート導入物件では3カ月程度で満室になったという。
メイクスの佐藤龍二専務取締役は「今後オーナーと入居者にアンケート取って、アートの効果測定をしていく」と話す。
アートを物件に施すことで、入居者の心身の健康と幸福感をサポートすることを狙う。オーナーにとっては、アーティストの知名度が上がれば、アートとともに不動産価値が上がるメリットも見込める。
壁面にアートが施されたメイクスアート三ノ輪Ⅱのごみ置き場
MAKES W ARTは、東京と名古屋で24年9月期に7棟、25年9月期に12棟を竣工する計画。それぞれ販売予定棟数の23%と48%程度を占める。
将来的には、全開発物件へのアート導入を目指す。
(2024年6月24日2面に掲載)