野田開発、仲介会社にニーズ調査

管理会社ノートリノベーション編

管理・仲介業|2023年09月25日

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 賃貸管理を行う野田開発(岐阜県関市)は、賃貸仲介会社の営業スタッフの意見を取り入れることで入居者ニーズに合ったリノベを提案。管理物件の入居率は9月12日時点で95%を達成している。

空室期間短縮、入居率95%維持

 商圏は岐阜県関市、岐阜市、各務原市。

 全従業員数は6人。管理事業部に所属する賃貸管理の実務者1人が、リノベ提案も行う。賃貸住宅の管理戸数は358戸(9月12日時点)。受託するオーナーは30人弱で、地主系が9割、投資家系が1割。

会社情報まとめ

 2022年度には30件のリノベを受注した。1件あたりの受注額は200万〜300万円だ。元請けし、提携する工務店に分離発注、もしくは一括発注している。提携する工務店は3〜4社。

 管理物件の多くは、親会社で建築事業を行う野田建設(同)が建築した賃貸住宅で、築年数は10〜20年、約9割がRC造だ。ファミリー向けの2LDK〜3DKの物件が多く、平均賃料は5万円前後。

 リノベの提案は、基本的に退去があったタイミングで行う。家賃の相場や現在の入居者ニーズにそぐわなくなった物件に対して実施する。築20年程度の物件を対象とすることが多いという。

 同社のリノベ提案の特徴は、入居者ニーズを把握するため、地場の賃貸仲介会社の営業スタッフの意見を工事提案に生かしている点だ。月に1〜2回、管理事業部の1人が商圏内の仲介店を1回あたり10店舗ほど回り、営業スタッフを対象にリサーチを重ねている。新たに退去が出た物件に関して「物件の状態が家賃相場と乖離(かいり)していないか」「新たに導入してほしい設備があるか」「修理してほしい部分があるか」を聞く。

 その後、商圏在住のオーナーに関しては提案書を持参のうえ、リノベを勧める物件に対する提案を行っている。提案時には同社の保有物件で、実際にリノベを施した物件のビフォーアフターの資料を持参し、リノベを施すことが有効であることを提示している。

提案に利用している資料

提案に利用している資料。自社保有物件をリノベしたことで、どう変わったかを提示している

 施工内容は、老朽化した床と壁の貼り替えおよび、水回り設備の交換がほとんどだ。貼り替え時には、同時に洋間への変更やアクセントクロスの導入を行っている。また、水回り設備は経年劣化による漏水が起こっている場合への対処のほか、そうでなくても漏水トラブルを未然に防ぐ保全を前提としている。配管修繕ではなく、設備自体を新しくすることで、居室のグレードアップにもなっている。

 リノベ提案の強化は、13年ごろから。リノベをしていない物件では、長くて3年間空室になっているのに対し、リノベした物件は2カ月以内には成約する。家賃も1000〜3000円上げられている。21年以降、入居率は95%前後を維持できている。

 「オーナーに対しても、成約までのスピードが違うことはリノベをする決断の大きな理由になっている」(長屋昌臣主任)

(2023年9月25日9面に掲載)

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