「現状維持は衰退」自覚すべき
働き手が減少傾向 生産性の向上必須
今月も人口減問題を扱いたい。
「少子化」を防ぐために、連載の第176回で女性の産休・育休を会社として積極的に取れるような雰囲気づくりをすべきだと書き、また前回の第177回で、少子化の主たる原因は「未婚化」なので、もっと結婚するよう大人が仕向けるべきだと書いた。
しかし、いくらか今後の施策によって、少子化はある程度押えられるかもしれないが、残念ながら、この人口減の大きな流れはそう変えられるものではないだろう。先進国のほとんどは人口減トレンドにある。
現在1億2400万人ほどの日本の人口が1億人を切るのはおそらく確実だろう。そして、問題なのは高齢者が減らず、肝心な生産年齢人口(15~64歳)、つまり「働き手であり消費する世代」がどんどん減ってしまうということである。
生産年齢人口は、2050年で20年の74%に、また70年には、60%になってしまうというのだ。
高齢者が増えて「働く人」が減るのだから、社会保障負担の額はいまより増えることになるだろう。税金も増えるだろう。65歳以上の人の医療費は65歳未満の人の4倍らしい(厚生労働省)。「このままでいくと」今後の日本人は貧乏になるということだ。
よって、結論から言うと「1人あたりの労働生産性」を上げなければいけない。もっともうけなくてはいけない。そのことによって社員の給料を上げていかなければならないのだ。
都内でも入居率減 売り上げに大打撃
また、われわれのビジネスのメインターゲットは、20~34歳程度までかと思うが、その年代だけ抽出して作ったのが図表1だ。
20年から50年に向けての30年間の減少率を計算してみた。