外国人向け賃貸募集ポータルサイト(以下、ポータル)「Apartment Japan(アパートメントジャパン)」を運営するDID-GLOBAL(ディーアイディーグローバル:大阪市)。外国人に賃貸住宅を提供してきた経験を生かし、申し込みから契約までポータル上で完結するサービスを提供する。今後も増加するであろう外国人の賃貸需要を見据え、サービスの拡大を狙う。
サブリース活用で賃料2倍も
物件登録4000件 検索から契約まで
Apartment Japanは、外国人に特化した賃貸募集ポータルだ。2019年にポータルに自動見積もり機能と申し込み機能を備えたシステムとして運営を開始。23年9月には家賃債務保証を手がけるアイ・シンクレント(東京都品川区)と提携し、家賃債務保証契約や賃貸借契約の締結がサイト上で可能となった。24年5月末時点で約4000件の物件が登録されている。
掲載する物件の中には家具付きの物件も多い。入居希望者は契約前に入居期間を選択して契約。物件検索、入居申し込み、契約まで入居前に必要な手続きをすべてオンライン上で海外から行うことができる。
創業者の近藤暁子社長は創業の経緯を「外国人の知り合いが、安定した職に就いているにもかかわらず劣悪な環境で生活していた。日本人のように住みたい部屋に住むことができないことは問題だと感じた」と話す。
12年に同社を創業し、外国人に向けてサブリース物件の転貸を行ってきた。時差のある海外に住む外国人とのやりとりは煩雑で、取り扱い物件が増える中、複数の物件に関するやりとりをメールで行うことに限界を感じたという。自社の業務を効率化するために開発したのが、Apartment Japanだ。その後、外国人に安心して賃貸するというスキームやノウハウがないために、外国人を受け入れることができない不動産会社に同サービスを使ってもらうことが、不動産会社と外国人双方のメリットとなると考え、ポータル化した。