Q.天井照明器具のビス穴は賃貸人負担?
A.賃借人が負担するのが原則です
2023年度の賃貸不動産経営管理士の問9は原状回復ガイドラインからの出題でした。23年度は問9、10、11の3問が賃貸物件の原状回復からの出題であり、出題者は原状回復責任についてかなり重視しているといえます。正答率は89.4%でしたので、受験者の多くが正解を導くことができた問題です。
民法上の原状回復 通常損耗義務なし
建物賃貸借契約が終了すると、賃借人は借りていた建物を賃貸人に返還する義務が生じます。その際、賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合、その損傷を原状に復する義務を負います(民法621条)。これを原状回復義務といいます。
ただし、通常の使用および使用収益によって生じた賃借物の損耗や、賃借物の経年変化による損耗は、賃借人に貸さずに賃貸人自ら使用した場合でも同じく生じるものといえ、賃借人はその損耗について原状回復する義務はありません。
また、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるとき、つまり、賃借人の落ち度ではない損傷も、賃借人に原状回復する義務はありません。