「かぼちゃの馬車」スマートデイズ民事再生

スマートデイズ

事件|2018年04月16日

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負債60億円超 家主から「破産しろ」の怒号

サブリース家賃不払いを続けていた『かぼちゃの馬車』シェアハウス運営のスマートデイズ(以下、SD社:東京都中央区)は9日、民事再生の手続きに入ったと発表した。12日に行われた債権者説明会には100人を超えるオーナーが参加し、会場では「破産しろ」との怒号が飛んだ。

SD社の財務状況は60億円超の債務超過となっており、そのうちサブリース賃料債務が23億1300万円と全体の4割を占めた。今年1月に入ってから全てのサブリース家賃支払いを停止し、オーナーに対してはサブリース契約解除合意書を送付していたSD社。最大で787人のオーナーから845棟1万2000戸を超えるシェアハウスを借り上げていたが、現在では入居者は357人ともはや見る影はない。

相場の倍ともいわれる高額な価格で販売するために設定されたサブリース家賃の支払いは続かず、ついに9日、東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申し立てを行い受理された。
12日、都内の会議場で行われたオーナー向け説明会は終始殺伐とした雰囲気だった。

SD社側は、資金繰りが悪化している状態で民事再生の手段を選んだ理由について、入居者保護のためと説明。SD社が一括で支払っているシェアハウスの電気やガスの料金が未払い状況で供給が止められてしまうため、管理契約を移管する必要があるという。

3月に新たに就任した赤間健太社長が登壇したが「この場で破産すると言え」「お前の本音はどうなんだ」とオーナーから怒りをぶつけられ「ここで破産を決めることはできない」とコメントした。
オーナーは事業再生に批判的だ。116人(3月30日時点)のオーナーから委任を受けるスルガ銀行スマートデイズ被害弁護団(以下、SS被害弁護団)の河合弘之弁護団長は「最大の被害者はオーナーでありテナント(入居者)ではない」とし、早期に破産手続きに移行するように訴えかけた。

「再生の手だてがないと裁判所が判断すればどのみち破産することになる。ただその間にスルガ銀行が不正をした証拠が隠滅されてしまうのが困る。一刻も早くスルガに融資契約の解除を求めたい」と主張する。

同弁護団は主要融資先であるスルガ銀行の与信資料への改ざん関与の実態を明らかにするため、関係する契約書類などを収集している。
民事再生に詳しい中島成総合法律事務所(東京都中央区)代表の中島成弁護士によると、開始決定から債権の確定までは一般的に5~6カ月ほどかかるという。民事再生後の弁済率も10%に達せず、数%程度であることもあり、破産と比べて債権の回収が大幅に見込めるわけではない。
オーナー側は、SD社の民事再生はあくまで時間稼ぎであり、企業としての再生が可能とは捉えていないといえる。

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