商品設計の柔軟性が高い不特法
先月号で紹介した「ソーシャルレンディング」に代わる存在として注目を集めているのが、近年、法整備と規制緩和が進む不動産特定共同事業法(不特法)に基づく不動産クラウドファンディングです。
■不特法の特長
不特法の特長として、ソーシャルレンディングに比べて、商品設計の柔軟性が高い点が挙げられます。
不動産担保ローンを投資対象とするソーシャルレンディングでは、投資家が得られるリターンの上限が固定されるデット(負債)型のファンドのみ組成可能です。すなわち、担保不動産の価値が上昇して想定よりも高く売却できたとしても、ファンドは固定のローン元本と利息を借り手から回収できるのみであり、投資家に超過リターンを分配することはできません。
他方、実物不動産を投資対象とする不特法では、契約の工夫により、デット型のファンドを組成することもできれば、投資家に超過リターンを分配できるエクイティ(出資)型のファンドを組成することも可能です。ほかにも不特法では、相続対策効果がある任意組合型ファンド等、投資家ニーズに応えるさまざまな商品の設計が可能です。
■不特法に基づくスキーム