進化する見守りサービス

商品|2019年06月09日

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左奥から時計回りにリンクジャパンのeHub、マットセンサー、開閉センサー、環境センサー

IoT活用で孤独死リスクの軽減図る

高齢者世帯の増加により、孤独死の発生件数が増加している。空室対策に困っている場合でも、多くの管理会社や家主は高齢入居者の受け入れに消極的だ。そのような中、孤独死防止対策として新しい見守りサービスが続々登場している。従来の定期訪問型や電話による安否確認サービスに加え、IoT(モノのインターネット)などの活用によるサービスが現れた。安価で、進化する見守りサービスが高齢者の入居促進に効果を上げそうだ。

IoT製品を提供するリンクジャパン(東京都港区)はセンサー技術を活用した見守りサービス『eMamo(イーマモ)』を7月から展開する予定だ。同社は、家電や建具をスマートスピーカーやスマートフォンなどとつなぎ、音声操作や遠隔操作を可能にしている。最大の特徴は今ある家電などを買い替えることなく、そのままIoT家電として利用できるところだ。
同サービスでは、温湿度などの環境センサーやドアの開閉センサー、さらに呼吸、心拍、睡眠時間、離着床のデータが取れるマットセンサーの設置とデータの収集・送信を行うハブのセットの設置を基本プランとして想定。月額1000円台から利用できる。
室内温度が設定した温度を超えた場合や一定期間入居者に動きがない場合は、異常を検知し、家族や駆け付け業者、介護事業者などに通知する。
今後は医療機関や介護事業者と情報連携しながら、『eMamo』のセンサーが取得したデータを使い、AI(人工知能)解析を行っていく。同社の坂田暁洋事業戦略部長は「認知症の傾向が表れてきた場合や深刻な事態が起きる前に通知を行い、未病対策に活用していくことも予定している」と話した。

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通信機器や情報端末などを提供するアイテム(東京都新宿区)は、カメラとスマートフォンやタブレット用アプリを使って室内の映像閲覧と温度や湿度、動き、音の検知、家電の遠隔操作ができる『ピースアイ』を2017年11月から展開している。料金は月額990円。カメラにはマイクとスピーカーが内蔵されており、呼び掛けや会話も可能だ。現在、一般住宅向けにはペットの見守りをメーンに展開。家にいるペットを映像で見ながら、アプリで室内の温度を確認。暑すぎたり、寒すぎたりすれば空調を操作し、室温を調整することができる。今後は高齢者の見守りとしての導入も増加していくと見込んでいる。高齢者の見守り向けにカメラにふたを取り付け、プライバシーにも配慮しているという。

賃貸住宅向けセキュリティーサービスを行うプリンシプル(福岡市)は、NTT西日本 九州事業本部(福岡市)、エヌ・ティ・ティ・メディアサプライ(大阪市)と協業でセンサーを活用した『スマートルームみまもり』の展開を5月から始めた。トイレや玄関ドアにセンサーを設置して、一定時間利用がないと高齢者の家族や管理会社に通知が届く仕組み。
プリンシプルはワンコインでできるホームセキュリティーを提供している。今回の見守りはそのサービスの転用になるため、開発費を抑えることができたという。初期費用は1万円台から、管理会社向けでは、月額利用料を500円に設定し販売する。

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