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【2019年の賃貸業界を先読み①】アパマン爆発事故で露呈した顧客不在の自社都合主義

賃貸業界は昨年発覚したスルガ銀行(静岡県沼津市)の不正融資やアパマンショップの爆発事故問題が後を引く。

働き方改革関連法や改正入管法の施行を4月に控え、改めて不動産会社のビジネスモデルや業界の在り方が問われる年になりそうだ。
2019年の業界の行方を本紙記者が大胆予測する。


年末から年始にかけ日経平均株価が乱高下しているな。
落ち着かない年になりそうだ。

賃貸業界では問題が山積みだ。
2018年末に札幌で起きたアパマンショップ爆発事故の余韻が冷めやらぬといったところか。


契約者が代金を支払っているにもかかわらず、実際には消臭を施工していなかったお粗末な実態が世間に暴露されることになった。


アパマンショップのFC加盟店からは「アパマンショップブランドのイメージが傷ついた」「付帯商品が売りにくくなる」といった声が上がっている。

消費者からすると、直営も加盟店も関係ないだろうからね。
アパマンショップリーシング北海道側は忙しく全物件に回れていなかったと言っているが、実際にはどうなのかな。


施工については、会社によって自社の仲介社員が施工する場合と、下請けの会社に任せる場合とがあるようだ。


私が知っている不動産会社では、仲介時に付帯サービスも契約した営業スタッフが散布していた。
だから、営業成績のよい社員だとその分の業務負担も増える状況があったようだ。


昨年、大手の賃貸仲介会社で部屋を決めたが、その際にやはり消臭料金が含まれていて1万円以上はかかったかな。
「消臭、付けなきゃいけないんですか?」と営業社員に聞くと「みなさんやってます」との一点張りだった。
しぶしぶ付けたが、消費者への説明が足りないと思ったよ。


一般消費者である借り手に対して正確にサービスの説明をしていくのも無論だが、そもそも、契約者に選択の自由があることを伝える必要がある。
そのうえで納得して料金を払ってもらい、施工済みの証明をしていく段階を踏むべき。


顧客である消費者の目線を持てるのか、自社の利益優先の体制を改められるのかが試されている。
根本に帰ると、賃貸仲介料の収益モデルが崩壊し、付帯商品に頼らなければやっていけない。そんな状況が背景にあるともいえる。


確かに「自分でネットから物件情報を探してきて、契約しただけなのになぜ家賃1カ月分も仲介手数料を払わなければいけないのか」と考えるユーザーもいるだろうし、その傾向は今後顕著になっていくだろう。


愛媛や東京で10店舗を展開する日本エイジェント(愛媛県松山市)の乃万恭一社長は「ゆくゆく仲介手数料は家主が払っていくようになる」と持論を展開していた。結局、入居者が支払う家賃から、家主が費用を出すわけだから。


一律ではなく、コストに応じた手数料設定にしていくのも手かもしれないよ。例えば、内見の同行なしで成約したら仲介手数料10%オフとか。


何件内見しても成約しない場合があるから料金の細分化は難しい気もするけど。


管理や仲介を行うエヌアセット(神奈川県川崎市)の宮川恒雄社長は「賃貸仲介事業は手数料フィーではなく、顧客接点を作る場としてとらえている」と話していた。
生涯にわたる顧客との関係づくりのきっかけだと。
そう考えると、不動産店舗は賃貸仲介専業より総合化に振れていくのかもしれない。


仲介手数料に関してもいえることだが、既存の商慣習を惰性で踏襲するのではなく、他の業界からも学んでいくことだ。
これから賃貸仲介ビジネスが生き残っていくために、どのようなあり方が求められるのか、不動産会社の経営者は賃貸仲介業を再考する時期に来ている。

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