家賃債務保証契約電子化の動き

申し込みや契約関係の書類を電子化して生産性を上げようとする動きが広がっている。
宅建業法の改正がなくとも契約が可能な家賃債務保証での導入の動きが活発だ。
管理戸数約1500戸の岡不動産(埼玉県加須市)が家賃債務保証の申し込みから契約までを電子化する仕組みを構築したことが12日、本紙の取材で分かった。
アクトコールグループで家賃債務保証事業を行うインサイト(東京都新宿区)との提携によって実現した。
インサイトは米国の電子契約システム『Docusign(以下、ドキュサイン)』の販売代理店ソフトバンクコマース&サービス(東京都港区)と2016年12月に提携。8月からドキュサインのサービスを使った家賃債務保証契約を開発した。
入居希望者が携帯電話やタブレットから記入した家賃債務保証の申込書をインサイトに送信すると、PDFに書式変換された契約書が管理会社、保証会社、オーナーの順に回覧される。
署名欄へはスマートフォンを用いて手書きで記入ができる。署名完了後は自動で次の回覧者にメールが送信される仕組みだ。書類をファックスや郵送する手間と時間が短縮できる。 
 
11月31日に、管理物件を借りる顧客に対し、初めて家賃債務保証を電子契約で締結した。申し込みから審査、契約完了まで、従来は7~10営業日かかっていたが、新たな仕組みにより24時間以内に済んだという。
電子契約を利用した入居者は20代の社会人女性で、「普段から使用しているスマートフォンで契約手続きができて面倒が省けた」と話した。


岡不動産の池田貴博氏は「賃貸業界では他業界と比較してテクノロジーの導入が遅れている。小さなことから改革できればと考えた」と話す。
約3500戸を管理する湘南らいふ管理(神奈川県藤沢市)は18年1月から同じくドキュサインのサービスを活用し、入居や家賃債務保証の申し込みを電子化する。
家賃債務保証の契約も視野に入れる。家賃債務保証会社は申込者の情報を基に審査を行う。入居と家賃債務保証の申込書それぞれへの記入が簡略化できる。
家賃債務保証会社側も乗り気だ。オリコフォレントインシュア(東京都港区)はセイルボートの申し込み電子化システム『キマRoom! Sign(ルームサイン)』導入に向けて検討している。その理由についてオリコフォレントインシュアの豊田大介システム開発課長は「書類内容に不備が出てくると仲介・管理会社に電話などで確認をとらなければならず、ひとつの契約に対して余計なコストがかかる。電子化で共有できれば不備がなくなる状態をつくれる」と語った。
オリコフォレントインシュアは、リクルート傘下の家賃保証会社だったが、10月にオリエントコーポレーションが子会社化した。契約数は数十万件規模になる。
繁忙期に備え、不動産会社は新たなサービスの活用で業務効率化を図る。

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