丸紅リアルエステートマネジメント、売買仲介事業を強化【社長に聞く わが社の戦略】

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インタビュー|2023年09月05日

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 総合商社の丸紅(東京都千代田区)のグループ会社で、不動産管理事業を手がける丸紅リアルエステートマネジメント(東京都港区)は、不動産の開発支援から管理業務までワンストップで行うことを強みとする。各支社、支店の情報連携を強化することで、同社で案件を獲得することを目指す。吉田隆太郎社長に主力事業と今後の方向性について聞いた。

社内での情報共有を重視

―御社の事業概要と主力事業を教えてください。

 2022年3月期の売り上げは133億円、純利益は11億1000万円でした。不動産の管理・運営が主力事業で、売り上げのおよそ半分を占めています。対象物件はオフィスをはじめ、住宅、倉庫などです。顧客は、グループのJ‐REIT(ジェイリート・不動産投資信託)運用会社や丸紅グループの取引先企業が中心です。管理事業に次いで売り上げの割合が高いのは、サブリース事業となります。3番目は、管理物件の工事関連の売り上げです。

―現在力を入れている事業は何でしょうか。

 注力している事業の一つは、売買仲介事業です。丸紅グループのアセットマネジメント会社が運用資産を増やすうえで、適した物件を仲介しています。

―売買仲介事業の強化のために、どういった取り組みをしていますか。

 売買仲介に限らずですが、主力事業であるPM(プロパティマネジメント)・BM(ビルマネジメント)案件の獲得のため、社内での情報連携に力を入れています。18年から、物件の情報交換会議を月2回、オンラインで開催し、当社の支社・支店が参加しています。例えば、東京本社の顧客が北海道札幌市でビルを探しているという情報を共有し、札幌支店と連携することで、該当する物件が探しやすくなります。それに加えて、物件の新規開拓部隊を東京本社と大阪支社にそれぞれ置きました。東京本社は10人、大阪支店は6人が所属、メンバーは合わせて16人です。物件開拓には、各支店の情報の一元管理が大切です。サイボウズ(東京都中央区)が提供する、クラウド型業務アプリ開発プラットフォームのkintone(キントーン)で自社用のシステムを構築し、23年6月から本格始動しました。自社の情報共有と管理の効率化につなげています。

―事業を強化するうえで、人材育成も重要な課題です。

 そのため、当社の課長以上を幹部として、「幹部会」という会議を年に数回行っています。50人ほどが参加します。自社の収益構造や強化するべきこと、経営課題などを知ってもらいます。

―今後の展望について教えてください。

 営業力を強化していきます。グループ、取引先を含め、どんどん案件を取りにいく姿勢が大切だと考えています。不動産管理の売り上げを着実に増やし、売買仲介事業では大きく売り上げを伸ばしていきたいです。純利益10億円を維持していくことが目標です。

吉田隆太郎社長写真丸紅リアルエステートマネジメント
東京都港区
吉田隆太郎社長(59)

 

(2023年9月4日5面に掲載)

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